徳島大学 フォトニクス健康フロンティア研究院(併任 先端酵素学研究所) 免疫ゲノム構造学部門は、2026年1月にスタートした学際的な研究室です。
私たちの体や細胞には、まだ理解されていない重要な仕組みが数多く潜んでいます。私は本研究室において、こうした未知の生命現象の本質に迫り、その分子基盤を明らかにすることで、生命の理解を一段階押し広げるとともに、将来的な健康増進や疾患治療に貢献する研究を推進していきたいと考えています。
私は、今後10年間の研究テーマとして「DNAの折りたたみ構造と炎症との関係」に挑戦します。ヒト細胞1個に含まれる約60億塩基対のDNAは、二重らせん構造を伸ばすと全長約2 mにも達しますが、これがわずか5~10 μmの核内に精緻に折りたたまれて存在しています。核内DNAは様々なスケール・様式の高次構造を形成しており、近年その存在が明らかになりつつあるものの、免疫応答などの動的な生命現象においてどのような意味を持つのかは未解明です。私は、免疫細胞の炎症応答に焦点を当て、DNAの折りたたみ構造が遺伝子発現制御と細胞機能をどのように規定しているのかを解き明かしていきます。
次世代シークエンス解析は、現代の生命科学研究を支える中核的な技術です。私は免疫学分野においては比較的早い2011年からこの技術を導入し、研究を進めてきました。現在は、Hi-CやMicro-Cといったクロマチン高次構造解析技術を中心に、最先端の解析手法を駆使して研究を展開しています。このような研究では膨大かつ高次元なデータを扱うため、バイオインフォマティクスは不可欠です。本研究室では、細胞調製からライブラリ作製、データ取得、そして情報解析による仮説検証に至るまで、研究の一連の流れを学生自身が主体的に経験します。研究室を修了する頃には、実験と情報解析の両方を自在に扱える、一流の研究者として大きく成長できる環境を提供します。
徳島を訪れたことのない学生の方も多いかもしれませんが、一度足を運んでいただければ、その落ち着いた環境と充実した研究基盤にきっと驚かれるはずです。本研究室に興味をお持ちの方には、1週間程度の短期インターンシップも受け入れていますので、まずは研究室の雰囲気を体験してみてください。大学院生に対しては、私自身が時間をかけて丁寧に指導し、世界に通用する一流の研究者として自立できるよう育成します。最先端の次世代シークエンス技術に加え、研究成果を国際誌へと結実させるための論文作成や研究発信のノウハウを、日々の研究を通じて直接学ぶことができます。
ぜひ一度、研究室を訪れてみてください。ともに、本当に面白いサイエンスを創っていきましょう。
2026年1月1日
徳島大学
教授 黒滝大翼